検査の目的
胃内視鏡検査は、大人の小指ほど太さのスコープを口から挿入して、食道、胃、十二指腸を観察します。先端に内蔵されているCCD(ビデオカメラ)で、画像をモニタで観察し、同時に写真を撮ります。当院では、最新の一番細いカメラを使用しており、また、経鼻用の細いカメラも使用しております。予約はいりません。来院時、希望者には必ず行いますので、前日の夜9時以降飲み食いせずに来院してください。
一般に普及している検査ですから、安心して受診してください。ただ、検査の間(10分程度)は、つねに喉にものがはさまった感じがあります。ご希望があれば、眠っている間に終えれるように麻酔をかけて行っています。
また、体に害のない安全な色素を散布し、詳しく観察することもあります。必要に応じ、胃の粘膜の一部を採取し(生検)、組織検査をする場合もあります。
これらを総合して病気の診断をします。結果は、基本的にその場でわかります。
ただ、組織検査を行った場合などは、結果がでるまで1週間程度かかります。
検査の手順
①. 検査に関する問診票にお答えいただきます。
内容は、胃内視鏡検査の経験の有無、また、受けたことがある場合はその時の様子、現在かかっている病気、ふだん飲んでいるくすり、薬剤アレルギーの経験等です。
②. 胃のなかをきれいにするくすりを飲んでいただきます。
(ガスコンドロップ)
③. 入れ歯、コルセット、お腹を絞めている腹巻、ガードルなどをお取りください。
また、女性の方は、口紅をふき取ってお待ちください。
④. 胃の動きを抑えるくすりを注射します。
(ブスコパン)ご希望があれば検査を楽に受けていただくためのくすりも一緒に注射します。(ドルミカム・セルシン)
⑤. のど(咽頭)に麻酔のくすりをスプレーし、指示に従い飲み込みます。少し苦いですが、ガマンして飲んでいただきます。(キシロカインスプレー)以前、わたしたちの施設でも使用していた、のどに含み貯めておく、ゼリー状のくすりよりだいぶ楽になっています。
⑥. 胃内視鏡は大人の小指ほど太さのスコープ:直径8~11mmくらいの細長い管状のものを口から挿入します。
スコープは無理に飲み込もうとしなくても、自然に、抵抗無く入っていきます。何も感じない検査ではありませんが、決して痛くありません。呼吸も自然にできる、一般的な検査です。医師、スタッフの指示に従い、全身の力を抜いて、ゆったりした気持ちで受けてください。
検査後の注意事項
・お食事
検査のあと1時間くらいは、のどに麻酔が効いています。1時間くらいたち、水を少量飲んでみて、むせないことを確かめてから食事をしてください。
・お車の運転
検査前に使用した注射の影響がしばらく残ります。1時間ほどクリニック内で静養してからお帰りください。鎮静剤の静脈注射をした方は、お昼ごろの帰宅となります。心配の方は家族に迎えに来てもらってください。
・組織をとった方(生検した方)
まれに組織をつまんだ部位から出血することがあります。検査当日は激しい運動をせず、安静にしてください。飲酒や熱いお湯での入浴は、出血の原因となります。当日は禁酒とし、シャワー浴程度にとどめてください。食事は、検査後2時間くらいして、「おかゆ」や「うどん」のような消化のよいものをお摂りください。翌日からは、いつも通りで構いません。