大腸ポリープについて
大腸にできる隆起性の病変(いぼのようなもの)を一般に大腸ポリープといいます。
いろいろな形があり、大きさも1mm程度から5cm以上までいろいろです。
炎症性のもの、過誤種腫性(大腸粘膜に迷入した細胞から発生する)、腫瘍性のものなどがあります。
それぞれ形だけでは判別は難しいのですが、大腸ポリープのうち8割以上は腫瘍性のものと考えられています。
腫瘍性のポリープはそのまま放置しておくと少しずつ大きくなり、がん化していきます。
当院では、発見したその場で切除いたします。
腫瘍性ポリープの発生原因
腫瘍性ポリープの発生原因として最近では遺伝子の異常が考えられています。
遺伝子の異常は先天的なものと後天的なものがあり、先天的なものは家族的に発生するタイプのもので血縁者に大腸ポリープや大腸がんが見られ、遺伝子の異常が遺伝した場合に発生します。
発がん物質や放射線によって遺伝子の異常が生じる場合もあります(後天的遺伝子異常)遺伝子の異常の程度によって発生するポリープの数、形、部位に違いがみられます。
一般にポリープが多発する場合には遺伝子の異常が高度であると考えてよいようです。
家族性大腸腺腫症という病気があります。これは大腸ポリープが家族的に多発し若年のうちに大腸がんが発生する明らかな遺伝子異常を伴った遺伝病です。
腫瘍性ポリープ以外のポリープはそのまま経過観察でも心配ありませんが、出血の原因になる場合には切除が必要になります。
大腸ポリープの治療
ほとんどの大腸ポリープは大腸ファイバースコープという内視鏡を用いて切除することができます。
切除する時には痛みは全くありません。
切除する時には痛みは全くありません。
ポリープの茎の部分に金属の輪をかけて高周波の電流を流して焼き切るのです。
専門医が治療を行うことで安全性は高まりますが、合併症として切除した部分から出血したり、穿孔といって腸に穴があくことがあります。これらは、緊急に対応することによって軽快します。
合併症を予防するために、ポリープ切除後およそ1週間は食べ物量を減らし、アルコールや刺激の強い食品は避ける必要があります。
大腸ポリープの内視鏡治療は専門的技術と知識が必要ですので必ず専門医に相談することをお薦めします。